サービス付き高齢者向け住宅の選び方

立地・アクセス

一般の住宅を探す場合と同様、サービス付き高齢者向け住宅を選ぶ際も、立地条件については十分に検討を重ねるべきです。
入居後はその地域を中心に生活するようになるわけなので、周囲にスーパーや病院、金融機関など、必要な施設があるかをチェックしておきましょう。
もちろん、現在お住まいの所から近いサービス付き高齢者向け住宅を選ぶのも、住み慣れた地域での生活を継続できるのでおすすめです。
また、家族や友人が会いに来ることを考慮する場合は、駅などからのアクセスの良さもみておきましょう。

サービスの充実度

サービス付き高齢者向け住宅を選ぶ際は、どの程度のサポートが必要なのかを意識するようにしましょう。この観点が損なわれていると、住宅選びに失敗する可能性があります。
例えば、まだ普通に自立的な生活を送れるのに、介護サービスがかなり充実している施設を選んでも、サービスを持て余してしまい、費用がかさんでしまうだけです。
一方で必要未満のサービスしかない施設を選んでも、外部の追加サービスと契約するのに手間とお金がかかってしまいます。
先述した通り、サービス付き高齢者向け住宅の基本的なサービスは安否確認と生活相談の2つですが、それ以外の介助や医療サービスを備えている施設もたくさんあるので、まずは入居後に必要なサービスは何なのかを整理しておきましょう。

設備や環境

設備や環境は、生活の快適さに多大な影響を与えるので入念にチェックしておきましょう。
サービス付き高齢者向け住宅の場合、設備条件が定められているのである程度似通った部分はありますが、それでも細かい部分に関しては施設ごとに様々です。
またカラオケや温泉施設など、好みに合った娯楽スペースがあるかも確認しておくことをおすすめします。
なお、スタッフの対応の仕方や混雑度など、写真では確かめられない要素もたくさんあるので、実際に見学してみて確かめるのが賢明です。

食事の内容・提供の方法

サービス付き高齢者向け住宅の場合、食事の提供についても各施設で様々なので、この点も要チェックです。
ちなみに施設の厨房で調理する形であれ、宅配弁当を手配する形であれ、サ高住で提供される食事は、カロリー計算などがきちんと行われています。そのため、1日に必要な栄養素をしっかり摂取することが可能です。
また介護付き有料老人ホームのように、食べやすさに配慮した「刻み食」や「ミキサー食」などを提供している施設もあります。
食事に関するリサーチをする際は、献立などの食事内容だけでなく、提供の体制や形式についても確認しておくことが大切です。

費用

サービス付き高齢者向け住宅に入居するときには賃貸契約を結びますが、それに伴って発生する賃料や初期費用の敷金の金額は、住宅によって違ってきます。
また追加のサービスを利用する場合は、それにかかる金額も含めて総額を計算しておくのがおすすめです。
なお、支払い方法が月払いか前払いかも確認しておきましょう。最初に大きな金額を納める前払いは、月払いに比べて月々の費用が安くなるものの、初期費用の負担は大きくなるので注意してください。
費用について資料だけでは疑問が残る場合は、契約前にきちんと質問し、わからない部分を明確にしておきましょう。

少数だが親族が契約を引き継げる施設も

サービス付き高齢者向け住宅の契約は賃貸者契約ですが、それには大きく分けて「終身建物賃貸借方式」と「建物賃貸借方式」の2種類があります。
終身建物賃貸借方式は、名前が示すように終身までの契約なので、入居者が死亡した時点で手続き不要で契約が終了します。ただし、基本的に親族が契約を相続することはできません。
なお、夫婦で入居していた場合、契約者の死後も、配偶者が居住を続けることができます。
一方で建物賃貸借方式のほうは、入居者の死亡後、親族が契約を引き継ぐことが可能です。もちろん配偶者がその施設で暮らし続けることもできます。
しかしながら、建物賃貸借方式のサービス付き高齢者向け住宅は認可基準がかなり厳しいため、施設数は決して多くありません。

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